BlackBerryとNXP、Y2Qのポスト量子サイバー攻撃の対策を支援

May 31, 2022

コラボレーションを通じ、量子耐性暗号の採用推進を目指す

BlackBerry Limited(本社: カナダ オンタリオ州、CEO: ジョン・チェン、NYSE: BB、TSX: BB、以下BlackBerry)は本日、車載ソフトウェアに対する量子コンピューティング攻撃のリスク軽減に関するデモンストレーションを実施し、NXP Semiconductorsのアジャイルクリプトを備えたS32G車載ネットワーキング・プロセッサー向けに量子耐性セキュアブート署名をサポートすることを発表しました。

両社の新たな連携により、米国国立標準技術研究所(NIST)が最近承認した量子耐性の「CRYSTALS Dilithium」デジタル署名スキームを使用して、ソフトウェアのデジタル署名が可能となります。この結果、重要インフラストラクチャ、産業用制御システム、航空宇宙、軍用電子、通信、交通インフラストラクチャ、コネクテッドカーのシステムなどの長期資産に依存する企業や、これらの提供企業に安心感を与えることができます。今回のコラボレーションは、量子コンピュータが、従来型のコード署名スキームを容易に突破できるようになる未来のリスクに備えるものです。

量子コンピューティングは、処理能力の飛躍的な向上を約束する一方、現行の公開鍵暗号化技術を無効化する可能性もあります。量子コンピュータが脅威アクターによって武器化され、一般的なセキュリティ手法の多くが次世代攻撃に対して無効となる、いわゆる「Years To Quantum (Y2Q)」シナリオについては、北大西洋条約機構(NATO)ホワイトハウスNISTがいずれも、この数カ月間で対策措置を講じています。

BlackBerry傘下のCerticom®のコード署名/鍵管理サーバーは、NXP S32Gチップのセキュアブートフローを活用することで、迅速で俊敏な量子保護を実現します。低レベルのデバイスファームウェア、ソフトウェアの無線(OTA)アップデート、ソフトウェア部品表(SBOM)を対象にDilithiumなどの量子耐性署名スキームを使用することで、重要なソフトウェア・アップデートで想定される量子コンピューティング攻撃のリスクを軽減し、多くの業界におけるセキュリティ上の主要な懸念に対応できます。

NXP Semiconductorsの上級主任暗号技術者であるJoppe Bos氏は、次のように述べています。「量子コンピュータの開発が進む中、こうした未来の脅威に対し、現行システムのセキュリティ保護に取り組むことは、ますます重要になっています。BlackBerryとのコラボレーションを通じ、両社のソリューションを強化することで、未来の暗号システムの脆弱性に対し、コード署名とソフトウェア・アップデートのインフラストラクチャを強化するという重要なニーズに対応できます。」

BlackBerryのBlackBerry Technology Solutions、バイスプレジデントであるJim Alfredは、次のように述べています。「Y2K(2000年)問題の対策として、米国企業は1,000億ドル以上を費やして大惨事を回避しましたが、この問題は日付のフィールドに二桁を追加しただけのものでした。量子攻撃が可能となるY2Qは、Y2Kとは別次元の問題であり、更新可能なソフトウェアを採用した長期資産を販売・運用する業界にとっては、大きな脅威となります。量子コンピューティングで懸念されるリスクの軽減に関して、当社とNXPはビジョンを共有しています。ハッシュベース署名に対する同社のサポートにより、企業のサイバーセキュリティ・チームに対して、既存のセキュリティ対策の陳腐化を阻止するために現在必要なツールを提供できます。」

(以上)

BlackBerryについて

BlackBerryは、世界中の企業や政府機関向けに、インテリジェントなセキュリティソフトウェアとサービスを提供しています。BlackBerryのソリューションは、1億9,500万台の自動車をはじめ、5億以上のエンドポイントを保護しています。カナダ・オンタリオ州ウォータールーに本社を置く同社は、AIと機械学習を活用して、サイバーセキュリティ、安全性、およびデータプライバシーソリューションの分野で革新的なソリューションを提供しています。さらに、エンドポイントのセキュリティ管理、暗号化、組み込みシステムなどの主要分野をリードしています。詳細については、BlackBerry.comをご覧ください。

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